●三環系抗鬱剤
確実な抗鬱効果を示す従来からある抗鬱剤。便秘、口の渇き、立ちくらみ、眠気といった副作用が出やすいのですが、その分効果も高いです。薬効がでるまでの時間が1週間から10日と短いです。代表的な商品として、トリプタノール、トフラニール、アモキケン、アナフラニールなどがあります。
●四環系抗鬱剤
三環系抗鬱剤にくらべ副作用はマイルドですが、その分、効果も穏やかです。注意点は上記三環系に準じます。 代表的な商品は、ルジオミール、テトラミド、プロチアデン、デジレルです。なおテトラミドは眠気が強いので睡眠薬の代わりとしても使用する場合があります。
●SSRI
平成11年5月から日本でも発売が開始された薬です。10人に1人の割合で眠気、また3人に1人の割合で服薬開始直後から2週間の間,吐き気が出現します。それ以外の副作用は比較的少ない印象があります。薬の効き目もとても穏やかで、安定した作用が出現するまでに約1ヶ月かかります。老人や体力的に弱い人などへの使用が向いています。またパニック障害、社会不安障害(SAD)の治療薬としても適応があります。パキシルはPTSDの適応をとりました。現在わが国で発売されているのはデプロメール(=ルボックス)、パキシル、ジェイゾロフト、レクサプロです。
●SNRI
SSRIよりも比較的効果が早くあらわれます(約10日)が、その分副作用的にはSSRIよりも眠気、便秘、口渇がでやすいようです。それでも三環系抗鬱剤よりは副作用の頻度が低く、軽症の抑鬱状態によく処方します。トレドミン、サインバルタ、イフェクサーがあります。
●NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤):
リフレックス(=レメロン)です。抗うつ効果と抗不安効果が、比較的強く、効果発現までの時間が1週間ぐらいと早いことが特徴です。既存の抗うつ剤で問題となっている副作用(口渇、排尿困難、便秘、血圧低下(立ちくらみ)、心毒性、嘔吐や性機能障害)の発現頻度は低く、アクチベーションシンドロームの懸念も軽減されています。服用開始後の2・3日間、ひとによって日中眠気を強く感じることがありますが、就寝時の睡眠は良質です。不眠、不安・焦燥感(イライラ感)を伴って、食欲低下(食事を楽しめない)がみられる患者さんには、特に効果が感じられやすいです。